SIerのシステムエンジニアを辞めるなら今
SIerはITゼネコンなどと批判を受けてきたわけですが、それでも下請け構造によって多くの雇用を生み出してきたことも事実です。
ですが最近では、
- インドの技術力が高く賃金が安いIT技術者を活用したオフショア開発
- クラウド、スマートフォンの台頭
- 下請け構造の崩壊
というようなことが、目立って取り沙汰されてきました。
有識者達も「早くSI業界から抜けだした方が良い、日本のIT技術者の多くは必要なくなるかも」と発言し始めています。
もちろん、これまでも上記のような動きがSI業界を脅かすと言われてきてはいましたが、どちらかというと「SI業界に改革や改善を望みたい」というような声が多かったような気がします。
ところが急に危機感が顕著になってきているのは、やはり時代のスピードが変わったからでしょう。
「本当にSI業界から抜けだした方が良いのか?」「SEから転職した方がいいのか?」
それは誰にもわかりません。
最終的には色々な方の意見を取り入れて自分で判断するしかないと思います。
最近のSI業界についてのコメント
(1)日本のIT技術者はもういらない?
インドや中国の安い人件費を狙ったオフショア開発の今後についてが書かれています。
〜引用ここから〜
「オフショアの拡大で国内ITサービス市場の雇用吸収力は確実に減る。ITゼネコンモデルの維持もできなくなる」とガートナージャパンの足立祐子リサーチ部門ソーシングリサーチディレクターは断言する。
〜引用ここまで〜
(2)SI業界からはさっさと抜けだしたほうがいい
かなり刺激的なタイトルです。これからは新しいビジネスを考えることができるプログラマを目指しましょう。
〜引用ここから〜
未来のある業界なら、悪いところは改善していくべきだと思いますが、未来のない業界なら、だめでも放置しておけばいいと思うんだよね。情熱は、未来のある分野に向けたほうがいい。
〜引用ここまで〜
(3)もしもIT業界の下請け構造が崩壊したら
下請けの崩壊は多くの失業者を生み出しかねない大きな問題です。
〜引用ここから〜
非効率極まりない下請け構造でシステムを作る時代が過ぎ去り、プロがはじめから高い品質を提供できるSaaSの時代が到来しているよ、と。ユーザーは必要最低限の投資で済む為、よりスリムで堅牢な企業体になる。IT屋も全部自分で出来るしお客さんが喜んでくれて嬉しいよねというWin-Winなシナリオ。
〜引用ここまで〜
私が辞めた最大の理由
私がSEを辞めた最も大きな理由は、当時の上司の年齢(40代)になって、
- あんな40代になりたくない
- 同じような仕事をしていたくない
という思いでした。
ハッキリいってまったくリスペクトしていなかったということになります。
あんな40代になりたくない
当時の上司たちは、何というか「スタッフを教育する」という考えを持っておらず、何というかよくある「使えるヤツは勝手に成長する」というような考え方をしていました。
その上司は、言葉少なで、まったく教えるということをしなかったのです。
ですから、先輩にあたる人たちも同じような態度をマネしており悪循環に陥っていました。
もちろん実際その通りなこともあるとは思うのですが、やはり今ではブラック企業的な考えであると思います。
また、長時間労働で、人間関係もそこまで良くないにも関わらず、さらにはその上司の独断で仕事が回ってこなかったり、仕事に干されたような状況に簡単になっていました。
私が在籍した3年間で少なくとも5人くらいは、ほとんど何も仕事しない時期が続くことを経験していたと思います。
何というか上記のような状況は、その上司特有のものではなくSI業界全体にはびこっている状況なのではないかと思います。
つまり、自分も40代になればそのような上司になってしまう可能性が高く、後輩からまったく慕われない人間になってしまうのがとても嫌だったのです。
同じような仕事をしていたくない
また自分が40代になって、当時の上司と同じ仕事をしているのかと考えると、
- 退屈
- つまらない
しか思い浮かず、嫌で嫌で仕方ありませんでした。
あんな仕事をする為に、あと15年も頑張らなきゃいけないなら、「リスクを取ってでも違う仕事をするべきではないのか?」
そう思いました。
もしかしたら、SEを辞めて転職するなり、起業するなりして、結果は失敗するかもしれません。
ですが「SEを続けて人生を終えるよりはマシ!」
その気持ちが強くなったのならば、次のチャレンジを始めるべきだと思います。
これから退職しようと考えている方に一つだけアドバイス
私がSEを退職した時は、その後に何をするのか決めずにただ辞めてしまいました。
つまり、転職活動も行わなかったのです。
辞めた後に、「三ヶ月くらい考えれば起業プランくらい思いつくだろ、むしろ自分を追い込んで考えたい!」
と思っていました。
ですが、実際は三ヶ月経過しても何も思いつきませんでしたし、なんと1年間も何もせずにウンウンと悩み続けてしまったのです。
そこから言えることは、なるべく次の方向性が固まってから退職した方が良いということです。
なので、「SEを辞める」と決断した後は、まだ退職願いは出さずに、働きながら次の方向性を模索し、さらには少しでも形を作ってから辞めることをお勧めします。
例えば、
- 転職エージェントを利用する
- 知り合いが作った会社で、平日夜間、土日だけ働いてみる
などなどです。
「プログラミングを勉強する」くらいで辞めてしまうと、厳しいと思います。
何が指標になるかというと「次の収入のアテを作る」ということです。
世の中は無職・無収入の方には、あなたが思っている以上に冷たく、風当たりも強いです。
昔は気軽に参加できていた、仲間内の飲み会や合コンでさえも出席しづらくなります。
※「今何やってるの?」と必ず聞かれるので
ですから、しばらくは兼業として次の方向性を定めてから、退職を決断しましょう!
変化に備えよう!
これらの記事を読んでみての私の率直な感想としては、変化は確実にジワリとやってきて、その割を最初に食うのは大手SIerではなく、間違いなく下請け・孫請け企業からということです。
オフショア開発が始まれば、大手ベンダーはこれまでの人員を海外に向けるだけです。
取り残されるのは国内でコーディングやテストをやってきた下請け・孫請けの企業ではないでしょうか?
取り残されるどころか、インドや中国との安い人件費との競争にさらされた場合、中小のソフトウェアは耐えることができるでしょうか?かなり疑問です。
国内における急激なピラミッド構造の崩壊が始まる前に、今後のライフプランについて本気で考えてみましょう。余裕のある時しか正常な判断は難しいと思います。
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